花下群舞図
京都での花見のにぎわいを描いた名所遊楽図。右隻は祇園社、左隻は上賀茂社での花見に興じ、舞い踊る人々が賑やかに描かれています。右隻には大黒天と恵比須といった福神、左隻には南蛮人に扮装した人々を中心に風流踊が行われており、南蛮人に財福神としてのイメージが重ねられていたことを推測させます。周囲には酒宴をはじめ、喫煙、双六、けんか、一服一銭、犬にほえられる猿曳、物乞い、高野聖、恋文を手渡すところ、蜂に襲われる琵琶法師、腕相撲、宴会のための料理作りなど、さまざまな風俗が散りばめられています。金雲の構成や松樹の形態などから、慶長期(1596-1615)後半の狩野光信系の画家による作品と考えられます。近世初期風俗画の優品です。
【南蛮美術】
【南蛮美術】
名称 | 花下群舞図 かかぐんぶず |
作者名 | 狩野派 |
時代 | 桃山時代/17世紀初期 |
材質 | 紙本著色 |
サイズ | (各)149.3x352.7cm |
員数 | 6曲1双 |
その他の情報 | 落款・印章:なし 来歴:中村好古堂 東京松田福一郎→池長孟→1951市立神戸美術館→1965市立南蛮美術館→1982神戸市立博物館 参考文献: ・神戸市立博物館『まじわる文化 つなぐ歴史 むすぶ美―神戸市立博物館名品撰―』図録 2019 ・サントリー美術館・神戸市立博物館『南蛮美術の光と影 泰西王侯騎馬図屏風の謎』展図録 2011-12 ・神戸市立博物館編『南蛮美術セレクション』神戸市体育協会 1998 |
指定区分 | |
分野 | 日本画 |