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吉原楼中図

北斎は浮世絵師の中では、美人画をあまり描きませんでした。しかもどのような主題でも続き物は少なく、本作のような5枚続きは他に例がありません。ボストン美術館などにも所蔵例がありますが、神戸市立博物館本は紫色などの発色が美しく、抜群の保存状態で伝世した貴重な例です。かなり大きな吉原の遊郭の内部が詳細に描かれ、右上の出入口に暖簾らしきものがかかっていて、この妓楼の名前が記されているようですが、残念ながら判読できません。ただ、鳥居清長「新吉原江戸町二丁目丁子屋之図」と共通する室内調度が見られることから江戸町の丁子屋の可能性もあります。

【江戸の絵画】
名称 吉原楼中図 よしわらろうちゅうず
作者名 葛飾北斎 伊勢屋利兵衛版 かつしかほくさい (1760-1849)
時代 江戸時代、文化8年/1811年
材質 木版色摺
サイズ 大判5枚続 37.0 ×123.9 cm
員数 5枚
その他の情報

来歴:池長孟→1951市立神戸美術館→1965市立南蛮美術館→1982神戸市立博物館

参考文献:
指定区分
分野 木版画