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不忍之池

司馬江漢が天明年間(1781-1789)に制作した風景銅版画のひとつ。上野の不忍池を、その南岸から北方を望んだ構図となります。司馬江漢が描いた本図とほとんど同じ景観を今でも眺めることができます。浮世絵版画や秋田蘭画の画家たちがその景観を描く中、江漢は自身が開発した腐食銅版技法で、眼鏡絵(レンズと鏡を組み合わせた覗き眼鏡で鑑賞するための小型絵画で、左右を反転して描かれる)に仕上げました。なお、当時は多色刷り銅版の技法はなかったため、筆彩による彩色が施されています。なお、江漢はこれらの銅版眼鏡絵を鑑賞させるための反射式のぞき眼鏡も自製しており、その現物とされるものも神戸市立博物館に伝えられています。

【江戸の絵画】
名称 不忍之池 しのばずのいけ
作者名 司馬江漢 しばこうかん (1747-1818)
時代 江戸時代、天明4年/1784年
材質 銅版筆彩
サイズ 28.4×41.4
員数 1面
その他の情報 反射式眼鏡絵 落款「甲辰四月彫/日本創製司馬江漢」

来歴:池長孟→1951市立神戸美術館→1965市立南蛮美術館→1982神戸市立博物館

参考文献:
指定区分
分野 銅版画