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津名郡由良浦ヨリ紀州友ヶ島迄海程御仮図

淡路島の津名郡由良浦から紀伊国の沖友ヶ島まで、大阪湾の南の玄関口にあたる紀淡海峡を描いた図です。船路、大阪湾岸各港への里程、潮の干満、海底の深浅に関する記載があり、徳島藩が築造した高崎台場のほか、海底の出洲や岩礁についても詳しく描かれています。作成者は明らかでありませんが、特に由良浦側が詳しく記されています。同じく文久3年(1863)5月測定の「大坂・兵庫・友ヶ嶋海図」(当館蔵)とは異なり、近世的な手法で描かれていますが、情報量は豊富であり、大船通行の可否など、大型蒸気艦船の通行への配慮もみられます。文久3 年5 月1日、姉小路公知に拝謁した軍艦奉行並勝海舟は、「友ヶ島近傍測量の図」を呈して海軍創設や砲台の築造について議論したといわれています。明石海峡を描いた「岩屋浦明石近海測量之図」(文久3年頃作成・当館蔵)なども含め、当時、こうした絵図が数多く作成されたと考えられます。

【開国・開港】
名称 津名郡由良浦ヨリ紀州友ヶ島迄海程御仮図 つなぐんゆらうらよりきしゅうともがしままでかいていおかりず
作者名 未詳 
時代 江戸時代、文久3年/1863年
材質 紙本著色
サイズ 151.8×103.2
員数 1舗
その他の情報

来歴:2015神戸市立博物館

参考文献:
・神戸市立博物館『まじわる文化 つなぐ歴史 むすぶ美―神戸市立博物館名品撰―』図録、2019
・神戸市立博物館特別展『神戸開港150年記念特別展 開国への潮流―開港前夜の兵庫と神戸―』図録、2017
指定区分
分野 絵図・地図