特別展 和田岬砲台史跡指定100年記念 大阪湾の防備と台場展 2021年2月6日(土曜) ~ 2021年3月28日(日曜)
この展覧会は終了しました
開催概要
神戸市立博物館では、2021年2月6日(土曜)から3月28日(日曜)まで、特別展「和田岬砲台史跡指定100年記念 大阪湾の防備と台場展」を開催いたします。
和田岬砲台は、大正10年(1921)3月3日、五色塚古墳などともに兵庫県下では初となる国の史跡に指定されました。本展は、その史跡指定100年を記念して開催するものです。近年行われた和田岬砲台の全面的な解体修理事業や研究の進展により、台場築造の謎が解明されつつあります。本展では、最新の研究成果を踏まえ、これらの台場群の新たな側面と、その歴史的意義をご紹介いたします。
なお、緊急事態宣言の発令中は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、開館時間の変更ならびに関連事業の中止をいたします。
和田岬砲台は、大正10年(1921)3月3日、五色塚古墳などともに兵庫県下では初となる国の史跡に指定されました。本展は、その史跡指定100年を記念して開催するものです。近年行われた和田岬砲台の全面的な解体修理事業や研究の進展により、台場築造の謎が解明されつつあります。本展では、最新の研究成果を踏まえ、これらの台場群の新たな側面と、その歴史的意義をご紹介いたします。
なお、緊急事態宣言の発令中は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、開館時間の変更ならびに関連事業の中止をいたします。
- 会 期
- 2021年2月6日(土曜)~3月28日(日曜)
- 休 館 日
- 月曜日
- 会 場
- 神戸市立博物館 2階 南蛮美術館室・特別展示室2
- 開館時間
-
10時~18時
※ただし、金曜・土曜日は19時30分まで
※入場はそれぞれ閉館30分前まで
※緊急事態宣言の発令中は、金曜・土曜の開館時間延長を中止いたします
- 主 催
- 神戸市立博物館、神戸新聞社
- 協 力
- 三菱重工業株式会社、神戸市文化財課
- 後 援
- NHK神戸放送局、サンテレビジョン、ラジオ関西
- 協 賛
- 公益財団法人 日本教育公務員弘済会兵庫支部
- 入 場 料
- 当日一般1,000円(800円) 大学生500円(400円) 高校生以下無料
・新型コロナウイルスの感染予防・拡大防止のため、お客様同士の間隔をあけて、ご入館・観覧ください。
・団体向けのオリエンテーションは中止しております。
※( )内は20名以上の団体料金。・団体向けのオリエンテーションは中止しております。
※本展観覧券で企画展もご覧いただけます。
※本展観覧券でコレクション展示室の料金が割引になります。
※神戸市在住で満65歳以上の方は、当館券売窓口にて証明書類の提示により500円。
※障がいのある方は障がい者手帳などの提示で無料。
※新型コロナウイルス感染症対策のため、ご来館の際には、マスクの着用、検温、手指の消毒等にご協力をお願いします。
新型コロナウイルス感染症に関して
緊急事態宣言の発令中は、開館時間の変更ならびに関連事業の中止をいたします。また、今後の状況によって、展覧会の中止をさせていただく場合がございます。随時、当館ホームページならびに公式Facebook・Twitterにてお知らせいたしますので、ご来館の前にご確認ください。
展覧会の構成と主な出品作品
出品件数 117件
画像はすべて神戸市立博物館蔵
画像はすべて神戸市立博物館蔵
Ⅰ 幕末の世情と海岸防備
砲台とは、その言葉の通り、大砲を設置するための軍事施設で、当時の名称としては「台場」の方が一般的でした。東京の「お台場」はまさに、幕府が江戸湾防備の目的で築造した「品川御台場」に由来します。黒船と称される異国船の軍事的脅威に対処するため、日本沿岸に築造された「台場」は1,000基に及ぶといわれていますが、その一割を超える100基以上の台場が、実は大阪湾岸や京都に向かう淀川筋に築造されています。しかも、それらが築造されたのは、嘉永6年(1853)のペリー来航から明治維新までのわずか10数年間です。このことは、1850年代から60年代にかけての時期、この地域の軍事的・政治的重要性がより高まりを見せていたことを表しています。
Ⅱ 黒船来航と大阪湾防備
大阪湾岸において台場が築造される時期には、2つの画期があります。1つはペリーが来航した嘉永6年以降、安政期(1854~60)にかけて、いま1つは天皇に確約した攘夷実行を具体化するために、幕府が直接、大阪湾防備に乗り出す文久3年(1863)以降です。これらはともに大阪湾の守りを固めることを目的とするものですが、その政治的・外交的背景は大きく異なりました。嘉永―安政期においては、まさに大阪湾内への異国船の侵入を防ぐことが最重要の課題であり、大阪湾への入り口となる紀淡海峡や明石海峡に所領を持つ紀州藩、徳島藩、明石藩によって台場の整備が進められていきます。しかし、文久期(1861~64)は外交方針をめぐって、長州藩をはじめとする尊王攘夷派大名と幕府が政治的に対立する時期でもあり、同3年以降の台場築造が発するメッセージは、必ずしも外国に対してのみ向けられたものではない、ということが近年の研究で指摘されるようになっています。
「天保山魯船図(部分)」
嘉永7年(1854)以降
嘉永7年(1854)以降
Ⅲ 「将軍の武威」を発信する装置
この時期に幕府が築造した兵庫和田岬と湊川、西宮、今津の4台場をみてみると、中央に「石堡塔(せきほとう)」と呼ばれる堅牢な円筒形の砲塔を備え、周囲に星形または円形の土塁台場を配する構造で築造されています。当時の日本においては最新の構造で、世界の軍事史上「マルテロ・タワー」と称される「石堡塔」は、この4基以外にはありません。
幕府は自ら台場を築造しただけでなく、周辺地域に所領を持つ大名や海岸防備に就く大名にも堅牢な近代的台場の築造、改築を命じていきます。近年、国の史跡に指定された徳島藩松帆台場(2006年指定)や明石藩舞子台場(2007年指定)、京都守護職会津藩による楠葉台場(2011年指定)も幕府の方針に従って築かれたものです。この時期、幕府は自らが天皇を守る主体であることをいかに示していくかが政権運営上の重要な鍵となっていました。つまり、大阪湾岸から京都にいたる淀川筋に配された近代的な台場群には、「将軍の武威」を国内外に発信する装置としての役割が期待されていたといっていいでしょう。
Ⅳ 近代的台場を実現させた日本の組織と技術
では、幕府が手掛けた台場の築造はどのように進められ、完成に導かれたのでしょうか。近年行われた和田岬砲台の全面的な解体修理事業や、研究の進展により、その状況が少しずつ明らかになってきました。和田岬砲台などの設計を担ったのは、勝海舟や長崎海軍伝習所に学んだ蘭学者佐藤与之助です。当代きっての蘭学者の設計を実現させたのは、意外にも石工や船大工といった日本の伝統的技術を持つ職人たちでした。本展では、台場築造に用いられた技術や技術者たちにもスポットを当ててみたいと思います。
「源頼朝公京都上落之図東海道吉田駅豊川之長橋」
文久3年(1863)
文久3年(1863)
「和田岬砲台写真」
1870年代初頭
1870年代初頭
Ⅴ 史跡指定された全国の台場
和田岬砲台の史跡指定から1年後の大正11年(1922)には西宮砲台が、大正15年には江戸湾防備の拠点として和田岬砲台や西宮砲台に先駆けて築造された品川台場(第三・第六台場)が、史跡指定されています。その後も、台場や幕末期の城郭遺構の指定は続き、特別史跡の五稜郭も含め、現在までに16件が国の史跡となっています。
最後に、史跡指定された全国の台場および海防関連遺産を紹介します。
神戸市指定有形文化財「石堡塔外観及内構造絵図」
文久3年(1863)~慶応2年(1866)
文久3年(1863)~慶応2年(1866)
関連イベント
※緊急事態宣言の発令中は、すべてのイベントを中止いたします。
記念講演会「畿内・近国の社会と幕末の台場築造」
- 日 時
- 3月14日(日曜)14時~15時30分(開場:13時30分~)
- 講 師
- 髙久 智広(神戸市立博物館学芸員)
- 会 場
- 神戸市立博物館 地階講堂
- 定 員
- 40名(当日先着順・指定席)
- 対 象
- 一般
- 参 加 費
- 無料(ただし、当日お使いいただける特別展観覧券が必要)
ワンポイント解説会(ここがみどころ!!)
- 日 時
-
2月12日(金曜)・26日(金曜)、3月5日(金曜)・19日(金曜)・26日(金曜)
11時30分~12時
※日にち、曜日に誤りがございました。訂正してお詫び申し上げます。
※緊急事態宣言に伴い、2月12日・26日は中止いたしました。
- 会 場
- 神戸市立博物館 南蛮美術館室・特別展示室2・回廊
- 定 員
- 各日10名(当日先着順)
- 対 象
- 一般
- 参 加 費
- 無料(ただし、当日お使いいただける特別展観覧券が必要)
子供向けイベント
【こうべ歴史たんけん隊】「和田岬砲台に入りホーダイ!」
- 日 時
3月13日(土曜) ①10時~12時30分(受付:9時30分~)
②14時~16時30分(受付:13時30分~)
- 会 場
-
神戸市立博物館 地階講堂
和田岬砲台※和田岬砲台は神戸市立博物館からバスでの往復見学になります。
- 定 員
- 各回6名(応募多数の場合は抽選)
- 対 象
- 小学4年生~中学3年生
- 参 加 費
- 500円
- 申込方法
-
①往復はがきで申し込む場合
往復はがきに「こうべ歴史たんけん隊」、希望時間の番号(①もしくは②)、参加希望者の名前、
年齢、学年、電話番号、返信用の宛名を記入し、下記の申込先まで郵送してください。
郵送申込先:〒650-0034 神戸市中央区京町24番地
神戸市立博物館 こうべ歴史たんけん隊係
②オンラインで申し込む場合
神戸市のイベント予約システム(https://kobecity-official-event.jp/form/1696)にアクセスして、予約システムにしたがって入力してください。
・1枚のはがき、1回のオンライン申込で本人を含め3名まで申し込むことができます。その場合、
参加希望の子供全員のお名前をご記入ください。
・1枚のはがき、1回のオンライン申込で複数のイベントに申し込むことはできません。
・申込締切 締切を延長しました。
3月4日(木曜) 郵送の場合は消印有効
展覧会図録
特別展「和田岬砲台史跡指定100年記念 大阪湾の防備と台場展」 図録
A5 カラー 120ページ
広報用画像について
「広報用画像申込書」をダウンロードいただき、必要事項をご記入のうえ、申込書に記載された問い合わせ先にメールでご送付ください。