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研究紀要

研究紀要:第23号(2007年)

執筆者 論題 要旨
塚原 晃 近世日本におけるワーテルロー戦闘図の流布と制作について 1815年、ナポレオン・ボナパルトの没落を決定づけた「ワーテルローの戦い」の波紋は、さほど時間をおくことなく、日本にも到達した。それは、ナポレオンの敗北というよりは、戦勝国のひとつであるオランダの貢献を喧伝する情報が主体だったと考えられる。ワーテルローでのオランダ皇太子の活躍を描く図が、江戸の桂川家に文政9年以前より伝わっていた。香川大学附属図書館神原文庫に伝わる銅版ワーテルロー戦闘図は、作者の素性は明らかではないものの、その題記の内容や用紙のウォーターマークから、初期のワーテルロー情報を忠実に反映して制作された作品と推定される。
問屋真一 資料紹介 御伽草子「月王・乙姫物語(りうくう)」 題箋に「りうくう」と記された新出の絵巻2巻を、内容からドイツのベルリン国立図書館所蔵の仮題「月王・乙姫物語」と同じ御伽草子であること、ベルリン本と新出本とを比較検討し、ベルリン本に詞書及び画図の新たな錯簡を見いだし、底本として新出本がより適切であることを明らかにした。
高久智広 展覧会報告 企画展”ホンモノ”たちが教科書をとびだした!ーザヴィエルや銅鐸たちにあいにいこうーを終えて 平成18年度(2006)に次世代育成支援策の一環としておこなった夏休み親子向け企画展に関する報告書。本展では、館蔵資料の中から、だれもが一度は開いたことのある教科書に登場する資料68点を展示し、親子で参加できる体験講座を毎日実施したほか、様々な展示鑑賞支援を用意し、親子でともに鑑賞し、体験し、楽しめる空間作りをめざした。また本展では会場内でアンケートを行っており、この結果をもとに、本展の成果と課題について考察をおこなった。