びいどろ・ぎやまん・ガラス
近代大阪のガラス 2021年5月31日(月曜) ~ 2021年7月25日(日曜)
明治16年(1883)設立の日本硝子会社をはじめ、明治時代以降に多くのガラス製造所が設立された大阪。『大阪府誌』第2編(明治36年刊行)をみると、明治30年頃には、200軒ほどのガラス工場が府下に点在していたことがわかります。大正 10 年(1921) の農務省による調査報告書には、瓶、食器、ランプ用品などの生産数において、大阪は東京を抜いてトップとなっています。大阪のガラス製造業の盛況ぶりを伝えるものといえるでしょう。 明治時代以降、日常使いのガラス製品が増えていく中で、日本人にとってガラスはより身近な存在になっていきます。一方で、現在の私たちにとって、近代のガラス器から「いつ、だれが、どこで」製造したのかという基本的な情報をえることは、両標マーク、収納箱、商品カタログなどの文字・視覚情報に頼らざるをえないのが現状です。 本展では、明治時代から昭和時代初期に作られた大阪製のガラス器に焦点をあてます。ガラス器を彩る成形や装飾技法と合わせて、商標マークや器体に残る文字情報を頼りに、 近代大阪のガラス製造所についてもご紹介します。
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グラヴュール蔦唐草文把手付ガラスコップ
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型吹きハート文ガラス壺
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切子格子文蓋付ガラス碗
展示作品リスト
- グラヴュール蔦唐草文把手付ガラスコップ 日本硝子製造会社製 明治中期(1883-97) 6点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- タンブラー 島田硝子製造所 明治23年(1890)頃 6点(12点の内) 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- プレス捩じ菊文緑色ガラス皿 製硝社合資会社/「SEISHOSHA」陽刻銘 明治中期-大正時代(1883-1926) 5枚(30枚の内) 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- プレス馬蹄に雷文把手付ガラスコップ 製硝社合資会社/「SEISHOSHA」陽刻銘 明治中期-大正時代(1883-1926) 1口 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- プレス梨地に雷文ガラスコンポート 三好硝子製造所/「T.N」「No79」陽刻銘 明治中期-大正時代(1883-1926) 1枚 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- ガラス哺乳器 三好硝子製造所 明治35年(1902)頃 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- ガラス小皿 カクエ赤松商店 明治後期-昭和前期(1898-1945) 6枚 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 型吹きハート文ガラス壺 桑田玻璃製作所 大正-昭和前期(1912-45) 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 栓付ガラス瓶 村尾硝子工場 明治後期-大正時代(1898-1926) 1合 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 切子亀甲繋ぎ文ガラスコップ 柳川硝子製造所 大正-昭和前期(1912-45) 1本 当館蔵(びいどろ史料庫レクション)
- 切子格子文蓋付ガラス碗 塩津硝子製作所ヵ 昭和前期(1926-45) 1合 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)