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びいどろ・ぎやまん・ガラス

薩摩切子のかがやき 2025年9月20日(土曜) ~ 2025年11月24日(月曜)

江戸時代後期、薩摩藩(現在の鹿児島県と宮崎県)によって創始された薩摩切子*。鮮やかな色ガラスを被せた厚みのある器体、そのひょうめんに水溶き金剛砂と棒状工具を用いて手彫りされた文様が美しいかがやきを放ちます。
弘化3年(1846)、十代藩主・島津なりおき(1791-1859)は医薬品の製造に着手し、酸性の薬品に耐えうるガラス器が必要となりました。そこで江戸の硝子びいどろ問屋・加賀屋久兵衛の従弟とされるもとかめろうしょうへいし、ガラスの製造を命じたのです。さらに十一代藩主・なりあきら(1809- 58)の時代になると、薩摩藩におけるガラス製造は飛躍的な発展を遂げます。嘉永4年(1851)、四本亀次郎は苦心の末に赤色ガラスの開発に成功。薩摩切子は全盛期を迎えますが、安政5年(1858)の斉彬の急逝により薩摩藩のガラス製造は衰退していくこととなりました。
まさに一瞬の栄華を誇った薩摩切子ですが、星空にも負けないそのかがやきは、今なお私たちを惹きつけて止みません。本展では、薩摩切子およびその関連作品をご紹介します。

*本展でご紹介するのは、江戸時代後期に製作された手彫り薩摩切子です。グラインダー状の工具により加飾された現代における薩摩切子とは区別しています。

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    手彫り切子八角ガラス酒瓶

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    手彫り薩摩切子青緑色被せガラス蓋物

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    手彫り切子紫色被せガラス墨台

展示作品リスト

  • 手彫り切子八角ガラス酒瓶 薩摩系 江戸時代後期~明治時代前期(1844-87) 1対2本 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
  • 手彫り薩摩切子羊頭形ガラス筆洗 薩摩製ヵ 江戸時代後期(1851-58) 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
  • 手彫り薩摩切子銅赤色被せ二段重 薩摩製 江戸時代後期(1851-58) 1組 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
  • 手彫り薩摩切子銅赤色被せ段重 薩摩製 江戸時代後期(1851-58) 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
  • 手彫り薩摩切子青緑色被せガラス蓋物 薩摩製 江戸時代後期(1851-58) 1合 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
  • 手彫り薩摩切子紫色被せ脚付ガラス杯 薩摩製 江戸時代後期(1851-58) 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
  • 手彫り薩摩切子藍色ガラス瓶 薩摩製 江戸時代後期(1851-58) 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
  • 手彫り切子紫色被せガラスちろり 江戸時代後期~明治時代前期(1844-87) 1対2点 当館蔵
  • 手彫り切子紫色被せガラス墨台 薩摩系 江戸時代後期~明治時代前期(1844-87) 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
  • 手彫り切子ガラス皿 薩摩系 江戸時代後期~明治時代前期(1844-87) 1枚 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
  • 手彫り切子藍色被せ蓋付ガラス壺  江戸時代後期~明治時代前期(1844-87) 1合 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
  • 手彫り切子銅赤色被せ小判形ガラス小皿 江戸時代後期~明治時代前期(1844-87) 1枚 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)