びいどろ・ぎやまん・ガラス
異国反照-池長孟コレクションのガラス 2025年4月1日(火曜) ~ 2025年6月15日(日曜)
ぎやまん、びいどろ、浄玻璃。空気のように向う側のすきとおつて見える透明な不可思議の物体が、どれほど昔の人を驚
かせたであろう。
『南蛮美術総目録』(市立神戸美術館、1955年)
これは神戸の南蛮美術蒐集蒐集家・池長孟(1891-1955)が語った言葉です。
日本では古来よりガラスが舶来されてきましたが、江戸時代になって、ようやく国内で本格的に製造が行われるようになりました。そして稀少であったガラスが生活に身近な存在となったのは、20世紀になってからのこと。池長が語るように、昔の人々がガラスを見た時の驚きは、私たちが想像するよりも遥かに大きく、エキゾチックな雰囲気を纏っていたことでしょう。ガラスを覗き込めば、そこに映ったのは自分の顔ではなく、異国の風景であったのかもしれません。
本展では、特別展で紹介しきれなかった池長孟コレクションのガラスをご紹介します。昔の人々が異国文化に触れた時の感動を想像しながら、お楽しみいただければ幸いです。
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彩絵緑色阿蘭陀人文角形ガラス瓶
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グラヴュールV.O.C.マーク入り吊り行灯
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グラヴュールオランダ船文ガラス入り鼈甲櫛
展示作品リスト
- グラヴュールV.O.C.マーク入り吊り行灯 長崎製か 江戸時代(1711-81) 1点 当館蔵(池長孟コレクション)
- 彩絵緑色阿蘭陀人文角形ガラス瓶 ガラス:オランダ製/彩絵:日本 18~19世紀 1本 当館蔵(池長孟コレクション)
- 花模様ツイスト脚付ガラス杯 イギリス製 18世紀 1枚 当館蔵(池長孟コレクション)
- 藍色カットグラス脚付杯 ヨーロッパ製 19世紀中期 1口 当館蔵(池長孟コレクション)
- 金赤色カットガラス脚付杯 フランス製 1850年頃 1点 当館蔵(池長孟コレクション)
- 型吹きガラス菓子器 日本製 江戸時代(1772-1844) 1合 当館蔵(池長孟コレクション)
- グラヴュール阿蘭陀船文ガラス入り鼈甲櫛 (加飾)長崎製か 江戸時代~明治時代前期(1772~1889) 1枚 当館蔵(池長孟コレクション)
- ぎやまん煙管 日本製 製作年不明 1本 当館蔵(池長孟コレクション)
- ぎやまん煙管 日本製 明治時代中期~大正時代(1883-1926) 1本 当館蔵(池長孟コレクション)
- 縞びろうど腰差し煙草入れ 江戸時代末~明治時代、19世紀後期~20世紀前期 1個 当館蔵(池長孟コレクション)