びいどろ・ぎやまん・ガラス
びいどろ・ぎやまんから指定品を 2023年7月22日(土曜) ~ 2023年9月10日(日曜)
江戸時代の和ガラス̶びいどろ・ぎやまんの作品には、国宝「伊能忠敬関係資料」(伊能忠敬記念館蔵)、国指定重要文化財「武雄鍋島家洋学関係資料」(武雄市図書館・歴史資料館蔵)など、歴史資料としてのガラス器を除いて指定文化財がないのが現状です。それは「なぜか」と日本のガラス史研究を振り返ったときに、「不明確なことが多い」という壁が立ちはだかっているからなのでしょう。
例えば、個々の作品の製作地、製作時期を特定することは容易ではありません。今日、伝統的工芸品のひとつに指定され、世界的にも著名な江戸切子や薩摩切子でさえ、江戸時代の作例については、それらの製造地を区別することが難しいのです。
一方で、限られた情報や技術のなかでつくられた江戸時代の和ガラスは、未来に伝えるべき貴重な文化財のひとつであることは違いありません。
本展示では、当館のコレクションから名品をご紹介するとともに、ガラス史研究の課題についても言及しています。みなさまにとって和ガラス―びいどろ・ぎやまんにより深く親しみ、考える機会になれば幸いです。
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手彫り薩摩切子銅赤色被せガラス二段重
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型吹き草花文淡青色六角ガラス四段重
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弦朝顔ガラス盃
展示作品リスト
- 型吹き緑色桔梗形ガラス鉢 江戸時代(1711-81) 5口 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 紫色鶴首ガラス徳利 江戸時代(1711-81) 1本 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 型吹き七宝繋ぎ文ガラス蓋物 江戸時代(1711-81) 2点一式 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 型吹き菊形黄色ガラス蓋物 江戸時代(1711-81) 1合 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 弦朝顔ガラス盃 江戸時代(1772-1844) 1口 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 型吹き淡青色六角蓋付ガラス四段重 正徳4年(1714)箱書き 5点一式 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- つらら形ガラス花生 江戸時代(1772-1844) 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 型吹き葵貝形吊りガラス花生 江戸時代(1711-81) 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 手彫り薩摩切子銅赤色被せガラス二段重 江戸時代(1851-58) 3点一式 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 手彫り薩摩切子青緑色被せガラス蓋物 江戸時代(1851-58) 1合 当館蔵(びいど路史料庫コレクション)
- 手彫り切子ガラス角鉢 萩製か 文久3年(1863)箱書き 1口 当館蔵