びいどろ・ぎやまん・ガラス
ガラスの理化・医療器具 2024年2月10日(土曜) ~ 2024年3月17日(日曜)
江戸時代の医療といえば、教科書でお馴染みの『解体新書』(1774年刊行)を思い浮かべる方が多いかもしれません。とりわけ、18世紀は長崎貿易を通じて理化・医療においても蘭学の知識が盛んに伝わってくる時代でもあります。
では、西洋の理化・医療に関する知識を実践する際に使われていた道具は、どのようなものがあったのでしょう。文政11年(1828)頃に江戸で開業した硝子問屋・加賀屋久兵衛の引札(商品リストのようなもの)をみても、時代がくだるにつれて理化・医療器具が占める割合が増えており、その需要の高さを知ることができます。
今回のテーマは江戸時代から明治時代に作られていたガラス製の理化・医療器具、及び当時の文献資料などを採りあげます。この分野の発展に寄与した多種多様なガラス製品の姿を眺めてみましょう。
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義眼サンプル
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ガラス蛭付
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携帯用切子ガラス薬瓶
展示作品リスト
- 義眼サンプル 高田巳之助商店販売/ドイツ製 昭和時代前期(1926-45) 36点1式 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- ガラス吸毒管 江戸時代後期~明治時代前期(1826-89) 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- ガラス蛭付 慶応3年(1867)箱書き 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- ガラス吸玉 江戸時代後期~明治時代前期(1772-1889) 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- スランガ(冷却管) 江戸時代後期~明治時代前期(1826-89) 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 携帯用切子ガラス薬瓶 江戸時代後期~明治時代前期(1844-89) 12点1式 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 金赤色ガラス毒用乳鉢 明治時代後期(1898-1912) 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- ホクトメートル(熊崎安太郎販売) 明治24年(1891)箱書き 1点 当館蔵
- メートルグラス 明治時代中期~昭和時代前期(1887-1926) 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 安全吸入器 白井松之助製 明治時代中期~昭和時代前期 1式 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- メスシリンダー 明治45年(1912)箱書き 1点 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 引札(加賀屋久兵衛) 嘉永2~6年(1849-54)頃 紙本木版墨摺 1枚 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)
- 引札(熊崎安太郎) 明治時代中期(1883-97) 紙本木版墨摺 1枚 当館蔵(びいどろ史料庫コレクション)