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考古・歴史

『源氏物語』へ―重なる、須磨の「物語」― 2024年6月22日(土曜) ~ 2024年8月25日(日曜)

平安時代中期、紫式部によって著された長編物語、『源氏物語』。美貌の貴公子光源氏の恋愛遍歴と栄華を中心に、彼と周囲の人々の生を70年余にわたって描き出した、日本古典文学中の傑作です。 紫式部はこの『源氏物語』全54帖を、現在の神戸市域である須磨を舞台とした「須磨」(第12帖)から書き始めたと言われています。 「須磨」では、光源氏が政争に巻き込まれて宮廷での立場が悪くなり、須磨へ退去することになります。住み慣れた都を遠く離れた須磨での暮らしは、源氏にとって物珍しくはありましたが、孤独で侘しいものでした。彼は望郷の思いを抱きつつ、流謫の日々を過ごします。 この「須磨」の筋運びの背景には、『源氏物語』成立以前に須磨を訪れた人々の「物語」が影響を与えています。 本展では、これらの「物語」が源氏物語に与えた影響を、地誌や錦絵などを手掛かりにしながら読み解いていきます。

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    摂津名所図会

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    中納言行平朝臣左遷須磨浦逢村雨松風二蜑戯図

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    菅家須磨御記

展示作品リスト

  • 須磨寺全景 文顕 紙本墨摺 1点 明治時代 当館蔵
  • 須磨寺前若木桜及馬盥門(須磨名所)(「須磨名所絵葉書」より) 紙本印刷 1点 明治時代後期~昭和時代初期 当館蔵 
  • 中納言行平朝臣左遷須磨浦逢村雨松風二蜑戯図 月岡芳年 木版色摺 1点 明治時代 当館蔵(別車博資コレクション)
  • 摂津名所図会 秋里籬島 木版墨摺 1点 寛政8年(1796)刊 当館蔵
  • 菅家須磨御記 紙本墨書 1点 享保15年(1730)写 当館蔵
  • 須磨百首かるた 世外堂主人 紙本印刷 1式 大正14年(1925) 当館蔵