美術
受贈記念展示 旧御影小川瑳五郎邸残照 / 新規収蔵美術コレクションを中心に 2025年2月18日(火曜) ~ 2025年3月23日(日曜)
受贈記念展示 旧御影小川瑳五郎邸残照
東灘区御影に存在した、兵庫県医師会初代会長である小川瑳五郎(1876-1951)自邸の関連資料を展示します。
御影は、大正9年(1920)阪神急行電鉄神戸線の開業や、大正12年の関東大震災の影響等により、豪商や知識人が自邸・別荘を構える地となり、西洋文化をベースとした近代的な芸術・文化・生活様式、いわゆる「阪神間モダニズム」が息づくまちとなりました。
阪神間モダニズム建築を代表する建築ともいえる小川邸には、ステンドグラスや、瀟洒な照明器具、ベイウインドウにあわせて配置することを目的とした作りつけの家具等が良質な状態で保存されていました。
この度、ご遺族のご厚意により、設計図面とともに、それらを当館に寄贈いただくことになりました。近代神戸の建築や生活の実態を肌で感じていただく資料として、また近代日本のガラス工芸史を考察する資料として、折にふれて大切に展示していきたいと思います。
100年ほど前の神戸の空気漂う空間をご堪能いただきましたら幸甚です。
新規収蔵美術コレクションを中心に
当館では、「池長孟コレクション」「びいどろ史料庫コレクション」などを核に、基本テーマである「国際文化交流―東西文化の接触と変容」のもと、諸外国の影響を受けた日本の美術作品を中心に収集・拡充に努めています。
近年、新たに加わった美術作品も、江戸時代に諸外国から影響を受けて制作された近世異国趣味美術が多くを占めます。いわゆる「鎖国」制度のもとでは、長崎貿易を通じてもたらされた異国の情報は、日本の人々にとって刺激的であったに違いありません。2022年以降に収集された美術コレクションを中心に、作品にみられる異国への眼差しにも注目しながらご紹介します。
一方で、博物館では作品を収集することともに、それらを守り、次の世代へ伝えていくことも大切な使命の一つです。近年、修理を終えた作品も、合わせてお披露目します。
本展示が初公開となる作品も含まれています。みなさまにとって、お気に入りの美術作品との新たな出会いの場となれば幸いです。
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旧小川瑳五郎邸 1階応接室
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02旧小川瑳五郎邸 1階応接室 ベイウィンドウステンドグラス
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03薔薇に小禽金魚図(部分)
展示作品リスト
- 受贈記念展示 旧御影小川瑳五郎邸残照
- 1 旧小川瑳五郎邸 申請・設計関係書類 昭和5年(1930)頃 1点 当館蔵
- 2 旧小川瑳五郎邸 棟札 昭和5年(1930) 1点 当館蔵
- 3 旧小川瑳五郎邸 玄関広間 ステンドグラス 昭和5年(1930) 1点 当館蔵
- 4 旧小川瑳五郎邸 玄関広間 照明器具(吊り灯) 昭和5年(1930) 1点 当館蔵
- 5 旧小川瑳五郎邸 1階応接室 照明器具(側灯) 昭和5年(1930) 2点 当館蔵
- 6 旧小川瑳五郎邸 1階応接室 ベイウインドウ ステンドグラス 昭和5年(1930) 3点 当館蔵
- 7 旧小川瑳五郎邸 1階応接室 ソファ 昭和5年(1930) 2点 当館蔵
- 8 旧小川瑳五郎邸 1階玄関広間 ハイバックチェア 昭和初期 1点 当館蔵
- 9 旧小川瑳五郎邸 2階踊場 ハイバックチェア 昭和初期 1点 当館蔵
- 10 旧小川瑳五郎邸 2階トイレ タオル掛け 昭和5年(1930) 1点 当館蔵
- 11 旧小川瑳五郎邸 1階女中室外 通知盤と呼出ボタン 昭和5年(1930) 1点 当館蔵
- ※1階地域文化財展示室(無料)、1階ホールケース(無料)にも関連展示がございます。
- 全出品リストはこちらをご覧ください。
- https://www.kobecitymuseum.jp/gallery/collection?theme=7
- 新規収蔵美術コレクションを中心に
- 墨松図 鶴亭 江戸時代、18世紀中期 紙本墨画 1幅 当館蔵
- 樹下双獅子図 魏雙幸(鉅鹿民部) 江戸時代、18世紀 絹本著色金泥 1幅 当館蔵
- 薔薇に小禽金魚図 鼓嶽山人 絹本著色 宝暦9年(1759) 1幅 当館蔵
- 銅板転写異国風景図大皿 オランダ・ペトルス・レグー窯 嘉永3年(1851)箱書き 軟質磁器 当館蔵(魚見コレクション)
- 緑色ガラス角形瓶 オランダ製 天保5年(1835)箱書き ソーダ石灰ガラス 当館蔵(魚見コレクション)
- 藍絵花卉唐草に牡丹文盃洗 「乾斎造」銘 施釉陶器 江戸時代、19世紀中期 1点 当館蔵
- 京洛・中国風景図 伝円山応挙 紙本著色 宝暦9年(1759)頃 4点 当館蔵(池長孟コレクション)