美術
賑わいを描く―近世初期風俗画 2025年4月1日(火曜) ~ 2025年6月15日(日曜)
桜や紅葉の中で宴に興じる人々、あるいは邸宅の前で催される歌舞伎や能などの芸能を愛でる人々…近世初期風俗画は、桃山時代から江戸時代初期に生きた人々の賑わいを今に伝えてくれています。これらの作品群は、当館の池長孟コレクションにも含まれるものです。「海外の影響を受けてつくられた日本の美術品」、いわゆる南蛮美術を蒐集の対象とした池長は、自身の近世初期風俗画について次のように語っています。
南蛮屏風は純粋の日本画で異国情調をとりいれたものでありますが、桜花爛漫たるもとに、日本人が南蛮人と入り交って
踊ってゐるのや、南蛮人が能や歌舞伎を見物して居る屏風などがあります。異邦人とまったくうちとけてゐる姿は、ほほ
笑ましいものがあります。
「池長孟自筆備忘録」(個人蔵)
この池長の言葉にもあるように、池長旧蔵の近世初期風俗画は、異国との交流を物語る「南蛮屏風」をはじめ、南蛮人やそれに仮装した日本の人々、さらには異国趣味の事物が描き込まれている点も特徴の一つです。今から400年程前の人々の異国への眼差しとともに、いきいきとしたその営みを感じ取っていただければ幸いです。
-
重要文化財 織田信長像
-
観能図(部分)
-
重要文化財 花下群舞図屏風(左隻・部分)
展示作品リスト
- 重要文化財 織田信長像 古溪宗陳賛 天正11年(1583)賛 絹本著色 1幅 池長孟コレクション ※展示期間:4月1日(火)~23日(日)
- 豊臣秀吉像 桃山時代、17世紀初期 絹本著色 1幅 池長孟コレクション ※展示期間:4月1日(火)~23日(日)
- 南蛮屏風(残欠) 江戸時代、17世紀前期 紙本著色 4曲1隻 池長孟コレクション ※展示期間:4月1日(火)~23日(日)
- 重要文化財 花下群舞図屏風 狩野派 桃山時代、17世紀初期 紙本著色 6曲1双 池長孟コレクション ※展示期間:4月26日(土)~6月15日(日)
- 観能図屏風 桃山時代、17世紀初期 紙本著色 8曲1隻 池長孟コレクション ※通期展示