美術
輸出漆器 2021年4月3日(土曜) ~ 2021年5月23日(日曜)
江戸時代、オランダをはじめ海外向けにもつくられていた漆工芸品。原産地をアジア圏とする漆は、1497年のポルトガル船インド到達によって、アジア各国との交易が開かれていくまで、ヨーロッパの人々にとって未知の存在だったのでしょう。それゆえに、漆黒の器体、そこに施された蒔絵や螺鈿装飾は、ヨーロッパの人々を魅了したのです。
16世紀につくられたキリスト教に関する祭儀具や日常的に使用する洋櫃や箪笥。17世紀終わり頃から需要があったヨーロッパ製の銅
版画を意匠に採るプラケットやプラーク(壁掛け)。現在まで伝わっている作品をみても、時代によって様々な漆器が求められていたことがわかります。
この特集展示では、16世紀から19世紀前半頃までに、海外向けにつくられた日本製の漆工芸品をご紹介します。日本の伝統的な漆工
芸品に、ヨーロッパの人々の好みが加わった不思議な魅力をもつ輸出漆器をお楽しみください。
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蒔絵螺鈿花樹鳥獣文洋櫃
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青貝細工ヴィーナスにアモーレ図煙草入れ
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青貝細工花鳥文箪笥
展示作品リスト
- 蒔絵螺鈿花樹鳥獣文洋櫃 京都製 江戸時代初期、16世紀後期~17世紀前期 木に漆塗 1点 当館蔵
- 蒔絵螺鈿鮫皮貼住吉図鞍袋形箱 京都製 江戸時代初期、17世紀前期 木に漆塗、鮫皮 1点 当館蔵
- 貝貼り書箪笥 京都製 江戸時代初期、17世紀 木に漆塗、貝貼り 1点 当館蔵
- 貝貼り小洋櫃 インド製 17世紀 木に貝貼り 1点 当館蔵
- 蒔絵ドッガ―バンク海戦図プラーク 「Sasaya(笹屋)」銘 寛政4年(1792) 銅板に漆焼き付け 1点 当館蔵
- 蒔絵カディス海戦図プラーク 「Sasaya(笹屋)」銘 寛政4年(1792) 銅板に漆焼き付け 1点 当館蔵
- 蒔絵ネロ宮殿図プラーク 江戸時代後期、18世紀後期~19世紀初期 銅板に漆焼き付け 1点 当館蔵
- 蒔絵肖像図プラケット(ポリドーロ・カルダラ) 江戸時代後期、18世紀後期~19世紀初期 銅板に漆焼き付け 1点 当館蔵
- 蒔絵肖像図プラケット 江戸時代後期、18世紀後期~19世紀初期 銅板に漆焼き付け 1点 当館蔵
- 蒔絵に青貝細工肖像図プラケット 18世紀後期~19世紀初期 銅板に漆焼き付け 1点 当館蔵
- 蒔絵肖像図プラケット(神聖ローマ皇帝フェルディナンド3世) 江戸時代後期、18世紀後期~19世紀初期 銅板に漆焼き付け 1点 当館蔵
- 青貝細工ヴィーナスにアモーレ図煙草入れ 江戸時代後期、18世紀後期~19世紀初期 銅板に漆焼き付け 1点 当館蔵
- 青貝細工出島家屋図煙草入れ 江戸時代後期、18世紀後期~19世紀初期 銅板に漆焼き付け 1点 当館蔵
- 青貝細工異国教会図箱 江戸時代後期、18世紀後期~19世紀初期 木に漆塗 1点 当館蔵
- 青貝細工花樹水禽文煙草入れ 江戸時代後期、18世紀後期~19世紀初期 木に漆塗 1点 当館蔵
- 青貝細工花鳥文箪笥 長崎製か 江戸時代後期、18世紀後期~19世紀初期 木に漆塗 1点 当館蔵
- 青貝細工花鳥文裁縫机 長崎製か 江戸時代後期、18世紀後期~19世紀初期 木に漆塗 1点 当館蔵